この日は、新年度4月に入り、初めての試合が、奈良市郊外の柳生の里で行われました。
中学生は3月からすでに新メンバーでの試合を何試合か行ってきましたが、小学生はこの試合が新メンバーでの初めての試合となります。
試合は、柳生・芳徳寺の横にある、正木坂剣禅道場という由緒ある、木造の建物の中で行われます。
この正木坂道場は、選手と観客席が近く、とても迫力のある試合が見れるので、非常に盛り上がるのですが、
お寺のような建物の中は暗く狭いし、窓からの光が逆光となったり、柱があったりして、撮影的には非常に難しい会場です。
これまでに何度も撮影に訪れていますが、試合のシーンで良い写真が撮れたことはなく(汗)、
この日も試合会場の外の桜の風景の方を楽しみにしていました。
奈良市内の桜の花は散りかかっているのに、奈良市郊外の柳生の里は、山間部にあるためか、ちょうど見ごろの満開でした。

最寄りの駐車場から、どれくらいでしょう?だいたい標高差にして50mくらい一気に登った小高い山の上に、芳徳寺・正木坂剣禅道場はあります。
写真はその坂の中腹あたりのヘアピンカーブの場所で、写真右側奥の上の方に、瓦屋根の正木坂道場が見えています。
坂の両側に咲く桜のトンネルを抜けて、道場にたどり着く、まさに「桜坂」です。
この日はうす曇りで空は白く霞んでいますが、アスファルトの道には、桜の木の影が写り込んで、とてもきれいな情景です。
ちょうど午前の試合が終わって、休憩時間の間に撮影したのですが、試合を終えた少年剣士たちが、桜の木の下でお弁当を食べていました。
お弁当を食べ終えて、道場に戻るところを撮影してみました。
画面右側に袴姿の剣士たちがちょこっと写っているのがポイントです(笑)。
Nikon D300
Nikkor VR 18-200mm F/3.5-5.6G 18mm
F8 1/1000 ISO400 WB:auto

続いてこちらは、午前の部の小学生の試合が始まる前に、桜の花が見える場所でウォーミングアップされている桜井剣道クラブの選手の皆さんです。
狭い道場の中は、ウォーミングアップする選手でごった返していましたが、気候の良いこんな日は、桜を見ながらの稽古もいいもんですね。
選手の皆さんも気持ち良さそうでした。
Nikon D300
Nikkor VR 18-200mm F/3.5-5.6G 35mm
F6.3 1/800 ISO800 WB:auto

こちらは、奈良尚武館道場の小学生の新チームのメンバーです。
毎年恒例にしているのですが、写真中央奥に見える芳徳寺の門の前で、新チームのメンバー一同で記念撮影を行うのですが、
その記念撮影を終えて、試合会場に戻っていく選手たちを撮影しました。
満開の桜の下を、満面の笑みで歩く選手たちです。
このメンバーで今年も是非、頑張って欲しいものです。
Nikon D300
Nikkor VR 18-200mm F/3.5-5.6G 18mm
F7.1 1/800 ISO400 WB:auto
さて、ここからは試合の写真を紹介していきます。
冒頭にも書きましたが、この正木坂道場は、選手と観客が近く、試合の観戦にはとても素晴らしい会場なのですが、
いざ「撮影」となると、とても過酷な条件の場所です。
暗く狭い会場に加え、アングルによっては窓からの光が逆光になり、フラッシュが使えないため、被写体が真っ黒になったり、
木造のため柱があるので、撮影の邪魔になったり、審判の先生の立ち位置など、様々な障害をクリアしなければ、
いい瞬間を捉えることはできません。
その上、剣道は上から下まで紺色、コントラストの低い被写体で、しかも動きが速いので、厄介です。
中でも最大の難敵は会場の暗さです。
今年はうす曇りということもあり、いつになく会場が暗く感じました。
昨年は、ISO感度2000、絞りも開放から数段絞れていたんですが、今年はISO感度を2500に上げて、絞りも開放から1段2段くらい絞って
やっとシャッタースピードが1/400をキープできるかどうかの厳しさでした。
ISO感度2500に設定したため、画質はかなり落ちてしまいました(泣)。
この日も数百枚、シャッターを切ったのですが、あとで撮影した写真を見てみると、そこそこ撮れていると思える写真は全体の2割くらいでしょうか?
非常に低い確率です。
ほとんどがピンボケ、被写体ブレなどを起こしていました。
試合は手に汗握る好ゲームが続いたのですが、写真的には、決定的な瞬間を数多く逃していて、残念でした。
そんな中で、何とかお見せできそうな写真を選びましたので、以下、何枚か紹介していきますね。
まずは、午前中に行われた小学生の試合から。

こちらは、大和青少年文化研修道場の中谷選手(右側)です。
完全に両足が床から離れ、宙に浮いています。
腕がきれいに伸びて、相手選手の面をしっかり捉えています。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.6 1/400 ISO2500 WB:auto

こちらは、習心館道場さんと五條金陽剣道クラブさんとの対戦で、確か副将戦だったかと思います。
右側が五條金陽の馬場選手、左側が習心館の岡本選手です。
写真を見る限りでは、左側の岡本選手の竹刀が、右側の馬場選手の小手を捉えているように見えます。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F2 1/500 ISO2500 WB:auto
さて、「この日のマイベスト・ショット」はこちらを選びました。

奈良尚武館道場と大和青少年文化研修道場さんとの対戦で、副将戦。右側が大和文研の中村選手、左側が尚武館の八ツ本選手です。
両者相い面の瞬間かと思いますが、左側の八ツ本選手が長身と長いリーチを活かして、遠い間合いから打ち込んでいます。
八ツ本選手の竹刀が、中村選手の面金を捉え、剣先が大きく変形しています。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F2 1/500 ISO2500 WB:auto

続いてこちらも同じく、奈良尚武館の八ツ本選手(左側)です。
三回戦・準決勝で対戦した五條金陽剣道クラブさんとの対戦シーンです。
先ほどの写真と同じく、長身の八ツ本選手が遠い間合いから豪快に、相手の面を狙って跳び込んでいます。
八ツ本選手の竹刀が、相手選手の面を捉える直前を切り取っています。
八ツ本選手がとても大きく見えます。
写真的な話になりますが、このような場合、八ツ本選手の動きを予測して構図を考えるのですが、
予想以上に大きな動きになると、跳び込む選手の後ろ脚が画面からはみ出して切れてしまうことがたびたびあります。
今回も八ツ本選手の動きは大きかったのですが、八ツ本選手の後ろ脚(左足)が画面から切れてしまうことなく、画面に収まったので良かったです。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F2 1/640 ISO2500 WB:auto

こちらも同じく、奈良尚武館道場と五條金陽剣道クラブさんとの対戦で、大将戦。
右側が尚武館の山本選手、左側が五條金陽の辰谷選手かと思います。
山本選手が引き面を打とうとしている瞬間です。
シャッタースピードは理想とする1/400も出ているのですが、動きが速いのか、山本選手の竹刀が大きくブレています。
試合の方は、奈良尚武館道場が勝利し、決勝戦へと駒を進めました。
決勝の相手は、強豪・鴻ノ池道場さんです。
決勝戦は、中学生の試合のあと、中学生の決勝戦の前に行われます。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F2 1/400 ISO2000 WB:auto
さて、ここからは、午後から行われた中学生の試合の中から、いくつかのシーンをご紹介していきます。

まずこちらは、登美ヶ丘北中学校から出場された、島本選手(右側)です。
島本選手は、奈良尚武館道場にも所属する女流剣士です。
この日は、中堅として出場され、初戦から強豪の若草中学校と対戦することになりました。
相手は男子選手でしたが、途中、見事な面を一本決め、会場からは大きな歓声が上がっていました。
試合は、相手選手に二本取られ、惜しくも敗退しましたが、とても素晴らしい試合をされていたと思います。
少し逆光的なアングルですが、面金の奥に垣間見れる表情がとても印象的です。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F2 1/160 ISO2000 WB:auto
ここからは、登美ヶ丘中学校の選手の試合を何枚かご紹介します。

まずは一回戦、二名中学校との対戦で、先鋒戦。
右側が登美ヶ丘中の居場選手、左側が二名中の石塚選手です。
両者相い面の瞬間です。
かなりカメラに近い位置に来た時にシャッターを押しているので、迫力のある絵になりました。
ただ、後でスコアを見ましたら、残念ながらこの面は両者とも一本にはなりませんでした。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/500 ISO2500 WB:auto

続いて、こちらも一回戦、二名中学校との対戦で、大将戦。
右側が登美ヶ丘中の森選手、左側が二名中の小谷選手です。
この一回戦ですが、先鋒は登美ヶ丘中が二本勝ち、その後、次鋒が一本負け、中堅が二本負けし、追い込まれましたが、副将が何とか引き分けに持ち込み、
勝負は決勝戦に持ち越されました。
二本勝ちしないと勝てないという、圧倒的に不利な状況の中、しかも相手は強豪の小谷選手。
相当なプレッシャーにも関わらず、大将の森選手は二本先取し、見事な逆転初勝利を飾りました。
手に汗握る接戦だったため、カメラを構えるのも忘れて試合に見入り、決定的瞬間を納めることはできませんでした(泣)。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/320 ISO2500 WB:auto

続いてこちらは、二回戦、春日中学校との対戦で、写真は先鋒戦。
右側が春日中の山縣選手、左側が登美ヶ丘中の居場選手です。
右側の山縣選手が面を狙って打ち込んで行くところを、左側の居場選手が胴を抜こうかという瞬間です。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/400 ISO2500 WB:auto

続いてこちらも、登美ヶ丘中学校と春日中学校の対戦で、中堅戦。
右側が登美ヶ丘中の沖田選手、左側が春日中の青木選手です。
両者激しい打ち合いのシーンで、左側の青木選手が面を狙って打ち込んだところを、右側の沖田選手が小手を打とうとした直後でしょうか?
緊迫感が伝わってきます。
この春日中学校との対戦でも、勝負は大将戦までもつれ、結果辛くも登美ヶ丘中学校が勝利しました。
その後、準決勝で富雄中学校と対戦するも、この試合も僅差で勝利し、登美ヶ丘中学校は決勝へと駒を進めました。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/500 ISO2500 WB:auto
ここからは、決勝戦の様子をご紹介します。

小学生の決勝戦は、奈良尚武館道場と鴻ノ池道場との対戦になりました。
写真は先鋒戦、右側が鴻ノ池道場の小角選手、左側が尚武館の木村選手です。
両選手の鍔ぜりのシーンですが、緊迫感が伝わってきます。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/250 ISO2500 WB:auto

こちらは副将戦で、右側が尚武館の八ツ本選手です。
小手を打った後でしょうか、面金の中の表情から、声が聞こえてきそうです。
八ツ本選手は、面二本勝ちしましたが、残りの選手は負けもしくは引き分けて、惜しくも鴻ノ池道場さんに敗退しました。
ですが、新チームでの初戦から準優勝できたことは良かったです。
鴻ノ池道場さんもさすがです。安定した王者の戦いでした。
両者の健闘に拍手を送ります。
八ツ本選手は、決勝戦のみならず、この日とても素晴らしい戦績で、個人として敢闘賞を受賞されました。
おめでとうございます。
さて、中学生の決勝ですが、登美ヶ丘中学校と強豪の若草中学校との対戦になりました。
勝負はやはり大将戦までもつれ、、登美ヶ丘中・森選手、若草中・小角選手の対戦は、一進一退の好ゲームとなりました。
小角選手が初太刀で胴を抜き一本先取しましたが、その後、森選手が猛烈な攻めで一本取り返し、結局引き分けとなりました。
大将戦までのリードを何とか保ち、登美ヶ丘中学校が優勝しました。
おめでとう!
決勝を戦った両校の選手の皆さんの健闘に拍手を送ります。
・・・・・、と文章でのアナウンスとなってしまいました。
もちろん決勝戦でも写真は撮っていたのですが、ピンボケ・被写体ブレの連続で、お見せできるような写真が撮れなかったのが残念でなりません(泣)。
Nikon D300
SIGMA 50mm F/1.4
F1.8 1/320 ISO2500 WB:auto

最後に、優勝記念の写真撮影を行いました。
暗い試合会場を抜け出して、正木坂道場の正面での記念撮影です。
この日、幾多のピンチを乗り越えてきた大将の森くんは、MVP賞にあたる「柳生石舟斎賞」を受賞されました!
おめでとうございます。
Nikon D300
Nikkor VR 18-200mm F/3.5-5.6G 20mm
F5.6 1/640 ISO320 WB:auto
最後にもう一枚写真をご紹介します。
中学校でお世話になっている保護者のMさんが撮影された写真です。

Mさんも剣道の写真を撮りたいということで、以前から少しご相談に乗っておりました。
そして念願のデジタル一眼レフカメラをゲットされ、この日が最初の試合だそうです。
カメラも、私と同じNikon製で、これからもいろいろと撮影にあたっての情報交換などさせていただけたらと、楽しみです。
私のカメラはずいぶん前に購入しましたので、Mさんの最新型のカメラはやはり性能も上がっていてうらやましいです。
撮影にあたっての設定の違いについて少し触れてみます。
まず、レンズですが、同じ単焦点レンズですが、画角が違います。私は50mm、Mさんは35mmでした。
どちらも標準レンズと呼ばれる画角ですが、35mmの方が少し広角寄りのため、写せる範囲が広がります。
私の写真と見比べていただくと分かりますが、50mmだと選手を大きく写せ迫力がありますが、選手が近付くと画面からはみ出してしまいます。
どちらが良いか、迷いますね~。
35-50mm、F値1.4とかの明るいズームレンズがあればベストなんですが、ないですよね~(笑)。
あと、ISO感度の設定です。
Mさんも当日、様々なISO感度を試されていたと思いますが、送っていただいた一枚は、ISO感度1250でした。
私はISO感度2000~2500まで上げて撮影していました。
私の写真と見比べていただけるとわかりますが、画質が全然違います。
特に後ろに見える木の柱部分や土壁の部分などは、明らかに私の写真の方が粗いです。
その分、シャッタースピードが、1/400前後出ているので、選手の動きや竹刀のブレを最小限に止めることができています。
感度(画質)かシャッタースピードか、どちらを優先するのが良いのか、なかなか難しいです。
Nikon D7000
Nikon 35mm F/1.8
F1.8 1/200 ISO1250 WB:auto
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- 2012/04/16(月) 07:14:45|
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