この日、奈良市中央武道場におきまして、8月に日本武道館で行われる全日本剣道道場連盟の奈良県予選大会(小中学生、個人&団体)が行われました。
奈良尚武館道場では、小学生女子個人の部で、木村優里選手が準優勝、小学生男子個人の部で八ツ本悠馬選手が第3位、
中学生男子個人の部で、居場一那選手が準優勝を納めました。
また、団体戦では、小学生は残念ながら初戦で敗退してしまいましたが、中学生団体では見事優勝して、日本武道館での本大会への切符を勝ち取ってくれました!
中学生団体の大将を務めた、私の息子も立派な試合をしてくれて、チームの勝利に貢献することができたそうです。
この日、私も朝いちで試合会場に息子を送って来ていたのですが、試合の写真を一枚も撮ることができず、急遽自宅に帰らないと行けなくなってしまいました。
私が個人的にやっております、この剣道写真ブログ『奈良写真館道場』は、私が撮影した剣道の写真を紹介する目的で始めました。
プライベートなことを載せることは極力避けてきましたので、これから書こうとしていることを掲載すべきかどうか、悩んだのですが、
共に息子の剣道を応援して来た妻の思い出を、少しだけでもこのブログに残しておこうと思いまして、書かせていただこうと思います。
実は、この日の朝、長年連れ添って来た妻が亡くなりました。
5年ほど前、重い病を患い、それ以降、辛く厳しい闘病生活を続けてきました。
これまで息子の剣道に打ち込む姿を見ることを心の支えにして頑張ってきましたが、ついに病に負けてしまいました。
妻は、この夏、日本武道館で行われる試合の応援に行くことを最後の楽しみにしていました。
朝、息子が妻の手を握り、「頑張ってくる」と言葉を残しましたが、かなり衰弱していたためか、妻が息子の手を握り返すことはありませんでしたが、
表情はかすかに微笑んでいたように見えました。
それが最期の別れになってしまいました。
試合会場に着いてしばらく経って、自宅から妻の容態が急変したので戻ってくるようにとの連絡がありました。
急いで私だけ自宅に戻りましたが、間に合いませんでした。
でも、最期は安らかに息を引き取ったそうで、それがせめてもの救いでした。
道場長の先生に、妻の逝去の知らせを涙声で伝え、そのまま息子に知らせず、試合をさせてやって欲しいとお願いしました。
先生も苦しい判断をされたと思いますが、受け入れていただき、試合が終わってから妻の死を息子に話してくださることになりました。
そんな中、何かを悟ったのでしょうか、息子は立派な試合をしたそうです。
幾多のピンチを覆し、チームの皆と一致団結し、中学生団体の部で見事、優勝することができました。
そして、念願の日本武道館への切符を、「優勝」という最高のカタチで手にすることができました。
妻を日本武道館へ連れて行ってやるという願いは叶えることができませんでしたが、息子の頑張りは伝わったかな、と思います。
きっと、妻も喜んでいるに違いありません。
妻がまだ元気だった頃、息子の試合をたくさん一緒に見に行きました。
試合だけでなく、他の道場との合同稽古会などにもよく行って、試合の申し合わせなどの仕事を頑張ってやっていました。
妻と剣道の関わりの写真を探してみましたが、意外に少なく、なかなか見つかりませんでしたが、
1年ちょっと前に行われた合同稽古会の写真に妻の姿が写っていました。

一昨日行われたお通夜、昨日行われた告別式には、奈良尚武館道場の先生方や保護者の皆さん、道場の子供たちに加え、
交流のある他道場の先生方や保護者の皆さま、息子と親しくしていただいている子供たちがたくさん駆け付けて下さいました。
多くの皆さんに見送られて旅立った妻は、幸せ者だと思います。
これまでの辛く長い闘病生活を生きてこれたのも、たくさんの皆さま方に支えていただいたおかげと、大変感謝しております。
本当にありがとうございました。
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- 2012/06/18(月) 00:41:24|
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